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3.3 波高の未超過確率

未超過確率の季節変化は、太平洋沿岸では小さく、日本海沿岸で大きい。通年の未超過確率は、一般に日本海沿岸が太平洋沿岸より小さいことから日本海沿岸のほうが波が高いと言える(資料3)。
外洋波浪の未超過確率は一般に、沿岸波浪より季節変化が大きく、また低緯度より高緯度の方が季節変化が大きい。
これらの中、未超過確率の最も小さい(波高の高い)海域は、アラスカ沖(No.46001)である。

3.4 波高の再現期待値

各観測地点の50年再現期待値は図3.7(a)〜(c)に示すとおりである。図3.7(a)によると、外洋では東シナ海(No.22001)が最も大きく、19.9mである。この海域は勢力の強い台風が頻繁に通る経路上にあることから、台風による高波により確率波高が大きくなるものと考えられる。北太平洋の中では、日本周辺海域が比較的確率波高が高い海域である。そのうち、東シナ海を除くと、緯度の高い三陸沖と日本海が低緯度に較べて波高が高い。北アメリカ大陸の両岸については、西岸が東岸と較べて波高が高い。
日本の沿岸波浪に関しては、波浪観測地点周辺の海岸地形が局所的に波高に影響を与えるが、概略すると太平洋沿岸と日本海沿岸、北日本と西日本で確率波高の分布が異なる(図3.7(b)と図3.7(c))。太平洋沿岸では鹿島から北側で波高が小さく、西日本および九州・南西諸島が日本沿岸の中で最も波高が高い。太平洋沿岸はこのように確率波高の空間変化が大きい分布をする。日本海沿岸では北日本(秋田〜松前)において波高が最も高く、南北の波高の空間分布の差は小さい。東シナ海に面する伊王島は、西日本太平洋沿岸と同程度の大きな波高を示す。

 

 

 

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